世界初スマートフォンサイズのNOMA対応チップセットによる 周波数利用の効率化実験に成功
5G時代に活躍が期待される技術により周波数利用効率が2.3倍に向上
株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)と、MediaTek Inc.(以下、 MediaTek)は、第5世代移動通信方式(以下、5G)の時代に活躍が期待される、周波数の利用効率を向上させる技術「非直交多元接続方式※1」(以下、NOMA)と、NOMAの実現に必要な技術「マルチユーザ干渉キャンセル※2 」(以下、MUIC)を実装したチップセット(以下、同チップセット)の仕様検討と開発を行い、同チップセットを搭載した現行スマートフォンサイズの端末による実証実験を行った結果、従来技術と比較して最大2.3倍となる周波数利用効率の向上を確認しました。
本実証実験は、5Gの新しい無線アクセス技術としてドコモが標準化提案したNOMAによる周波数利用効率化の検証と、MediaTekが開発した同チップセットが、現行スマートフォンサイズの端末(以下、端末)で動作することを検証するものです。
実験環境において、同チップセットを搭載した3台の端末を異なる地点に配置し、基地局から同一時刻に1つの周波数にて3台の端末向けに伝送する信号の送信電力を制御しながらデータを重ねて送信しました。受信側となる端末は、干渉となる自端末以外の信号を取り除くことで自端末に必要な信号のみを取り出すことが同チップセットによって可能となり、1つの周波数における利用効率が従来技術である同一送受信アンテナ構成のシングルユーザMIMOに比べて最大2.3倍に向上することを確認できました。
ドコモは2020年に5G商用サービスの開始をめざしており、5Gの新しい無線インタフェースや周波数利用の効率化技術を活用し、ユーザが密集する都市部環境においても更なる大容量化を実現する技術を開発、標準化提案してまいります。今後も世界主要ベンダーと協力し、2年のサービス提供に必要な端末開発や商用環境の整備に取り組んでまいります。
※1 「非直交多元接続方式(Non-orthogonal Multiple Access)」とは、複数の端末が異なる場所にいることを利用し、基地局が各端末に伝送する信号の送信電力を制御しながら多重して送信することにより端末側で干渉除去処理をしやすくし、基地局がエリア内の複数の端末に同時に信号を伝送することで大容量化を実現する技術です。
※2 「マルチユーザ干渉キャンセル(Multi-user interference cancellation)」とは、基地局がエリア内の複数の端末に同時に信号を伝送したときに、干渉となる自分以外の端末の信号を取り除く干渉除去処理の技術です。
実証実験の概要
1.実証実験概要
本実証実験では、4個のアンテナを搭載した3.5GHz帯対応基地局によるスモールセル環境で、基地局から異なる距離に配置した2個のアンテナを搭載した3台の端末と同時通信を実施。
・同一送受信アンテナ構成のシングルユーザMIMOに比べ、周波数効率が向上していることを検証
・現行スマートフォンと同等サイズで世界初NOMA対応チップセットを搭載し動作することを検証
周波数利用効率 (bps/Hz) |
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端末ID (受信品質) |
端末1 |
端末2 |
端末3 (7dB) |
3台端末合計 |
従来技術 |
1.63 |
0.26 |
0.15 |
2.04 |
同チップ搭載時 |
3.99 |
0.51 |
0.36 |
4.86 |
3.実験期間
2017年8月14日 ~ 10月6日
4.実験場所
台湾新竹県の台湾工業技術研究院およびMediaTek本社
5.各社の役割
ドコモ |
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MediaTek |
|
各社概要
MediaTek Inc. |
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会社名 |
MediaTek Inc. |
代表者 |
Chairman&CEO Ming-Kai Tsai |
所在地 |
台湾 新竹市 No.1, Dusing 1st Rd., Hsinchu Science Park, Hsinchu Clity, Taiwan 30078 |
資本金 |
158億元 (台湾ドル) |
設立年月日 |
1997年5月28日 |
従業員 |
連結 15,000名 (2017年) |
主な事業内容 |
・ モバイルコミュニケーション事業 ・ ホームエンタテメント事業 ・ コネクティビティ&ネットワーキング事業 ・ IoT事業 |
NTTドコモ |
|
会社名 |
株式会社NTTドコモ |
代表者 |
代表取締役社長 吉澤 和弘 |
所在地 |
東京都千代田区永田町2-11-1山王パークタワー |
資本金 |
9,496億7,900万円(2017年3月31日時点) |
営業開始日 |
1992年7月1日 |
従業員 |
単独7,609名、 連結26,734名(2017年3月31日現在) |
主な事業内容 |
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