MediaTek、Meta の「Llama 2」を活用してエッジデバイス上の生成 AI を強化

2023 年 8 月 23 日 - 午前 7:00

台湾、新竹 - 2023 年 8 月 23 日 年間 20 億台以上のコネクテッドデバイスを提供している世界有数のファブレス半導体メーカーであるMediaTek(本社:台湾・新竹市)は本日、Meta の次世代オープンソース大規模言語モデル(LLM)である「Llama 2」と緊密に連携していくことを発表しました。Meta の LLM を MediaTek の最新 APU および NeuroPilot AI Platform とともに活用することで、スマートフォン、IoT、自動車、スマートホーム、その他のエッジデバイス用 AI アプリケーションの開発を加速する完全なエッジコンピューティングエコシステムの構築を目指します。

現在、生成 AI の処理はほとんどがクラウドコンピューティングを介して実行されています。しかし、MediaTek が Llama 2 モデルを使用することにより、デバイス上で生成 AI アプリケーションを直接実行することが可能になります。これにより、シームレスなサービス、プライバシーの向上、セキュリティと信頼性の向上、遅延の低減、通信が困難な地域での作業、運用コストの削減など、開発者とユーザーに多数のメリットがもたらされます。

エッジデバイスメーカーがオンデバイス生成 AI 技術を実際に活かすためには、コンピューティング能力が高く消費電力が低い AI プロセッサに加え、高速で信頼性の高いネットワーク接続機能を適用して、コンピューティング機能を強化する必要があります。現在出荷されているすべての MediaTek 製 5G スマートフォン向け SoC には、AI ノイズ除去、AI 超解像、AI MEMC(動き予測/動き補正)など、さまざまな生成 AI 機能を実行するように設計された APU が搭載されています。

さらに、今年後半に発表する予定の MediaTek 次世代フラッグシップチップセットは、Llama 2 を実行するために最適化されたソフトウェアスタックに加え、Transformer バックボーンアクセラレーションを実装してアップグレードした APU を搭載し、実装時の面積と DRAM 帯域幅の使用を削減し、LLM と AIGC の性能を一段と強化します。こうした高度化により、オンデバイス生成 AI を短期間で試作できるようになります。

MediaTek コーポレートシニアバイスプレジデント兼無線通信事業部ジェネラルマネージャーの JC Hsu は次のように述べています。「デジタルトランスフォーメーションにおける顕著なトレンドとして、生成 AI が急速に普及しています。当社のビジョンは、Llama 2 の開発者とユーザーのコミュニティに対して、AI 分野で最大限に革新するために必要なツールを提供することです。Meta との提携によって、エッジにおいてこれまでよりはるかに優れた機能を備えたハードウェアとソフトウェアを提供することができるようになりました。」

MediaTek は、年末までに市場に投入する予定の次世代フラグシップ SoC 搭載スマートフォンにおいて、Llama 2 ベースの AI アプリケーションが利用可能になることを予想しています。


###


MediaTek Inc. について

MediaTek Inc.(台湾証券取引所:2454)は、年間約 20 億台のコネクテッドデバイスを提供しているグローバルファブレス半導体メーカーです。モバイルデバイス、ホームエンターテイメント、コネクティビティ、および IoT 製品向けに革新的なシステムオンチップ(SoC)の開発で市場をリードしています。イノベーションに対する献身的な取り組みにより、電力効率に優れたモバイルテクノロジーや高度なマルチメディアソリューションを含む主要テクノロジー分野で市場を牽引する地位を確立しています。それらの技術はスマートフォン、タブレット、デジタルテレビ、5G、音声アシスタントデバイス(VAD)、ウェアラブル端末、自動車用ソリューションなど幅広い製品において活用されています。MediaTek は、スマートテクノロジーを通じて、人々が視野を広げ、容易に目標を達成出来るようになることを望んでいます。優れたテクノロジーを誰もが利用できるようにし、企業活動の原動力としています。詳しくはこちらのサイトをご覧ください。www.mediatek.com